2024年1月20日(土)第5回講座「シアワセとは何か」

高野雅夫

今回は足助地区にある豊田市里山くらし体験館「すげの里」にて、名古屋大学大学院教授の高野雅夫先生をお招きし、第5回講座「シアワセとは何か」を実施しました。

 

発表1
発表2

当日はあいにくのお天気だったため、予定していた屋外でのワークショップ「木の声を聴く」は中止とし、内容を「千年ゼミ」と題したグループワークに変更、高野先生の「もやもやはスルーせずに、仲間と共有し言葉にすることで深めてみましょう」との声掛けで、ここまでの講座や活動・くらしのなかでそれぞれが抱いている想いを共有しました。

また、会場となったすげの里の立ち上げに関わった高野先生に、地域と市街地の住民同士の交流拠点であり、エネルギー自給を目指したこの施設の設立の経緯や設備の特徴もお聴きしました。

その後のワークショップ「未来日記~私の一番幸せな日」では、自分自身が思い描く理想的な未来の一日を、具体的に書き出してみました。

塾生からは「1日の流れは正直、もっと悩みながら書くかと思ったが、 ビックリするくらいスラスラと書け、日付や天気、時間配分までしっかり書けた。改めて“自分の中の幸せはもう決まっていた”と気付いた。」「シアワセの基準は人それぞれ。自分の思い込みやどこからか持ってきた尺度で現実を捉えると不幸を感じるのでは」など感想が聞かれました。

第5回_アートWS
第5回_アートWS作品
第5回_アートAS3

また、今回はスタッフでアーティストの田中あつこさん@atsu.tanaによるアートワークを実施しました。午前のワークショップで思い浮かんだキーワードを手掛かりに、色画用紙に思い思いにそれぞれの幸せのカタチを表現。塾生はあっという間の30分ほどで作品を完成させ、それぞれの作品を共有しました。

作品は非常に抽象的なのに、言葉ではとても理論的に説明する塾生がいたりするのも面白かったです

「いま・ここ」の気持ちを表現した作品は、今日という日の記念にもなったのではないでしょうか。

高野先生レク
日本国村生国

高野先生のレクチャーでは、ご自身がパートナーと岐阜県恵那市飯地町に移住し、薪ストーブと五右衛門風呂のある古民家で耕作放棄地を再生しつつ、研究と実践とを両立させているくらしの話や、「海上の森」で行っている講座の受講生と共に紺屋Labo. (こうやラボ)を立ち上げ、畑で作る「陸稲」や「草泊まり」にチャレンジした様子や、そのコミュニティについてお話いただきました。

レクチャーの間に何度も「幸せだなと思っています」と口にされた高野先生。紺屋Labo.ではみんなが「やりたいことだけをやる。休みたくなったら勝手に休む」という厳しい(?)掟を守り、共同作業を通して「生国」と繋がりを持つこと、移住者も含めて「同じ釜の飯を食う」地域コミュニティを持つこと、まだ途上とは言いつつ、田畑で食糧の自給に取り組んでいること。。。人が集い、自由に使える場や土地があることの幸福について考えさせられました。

また、高野先生は戦争や災害が起きた時に、都市に住む人は食糧や住む場を失うこともある。そんな時に「村」や「生国」と繋がりをもっていること、そして「生きるためのスキル」を身につけているのは大切なことではないか、とお話されました。

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塾生からは「生国、村、日本国という考え方を聴いて、今の自分がどの階層で悩んでいるのかを俯瞰して見れた。日本国への比重が高まるにつれ、生きている実感が無くなっていく気がします。時々立ち位置を確かめる必要があるし、生国を実感する場所を取っておくことも大事だと思いました。」「目的に到達するために調べたこと、聴いたこと、それをそのまま鵜呑みの実行..それも良いのですが、自分なりの変換・組み立て・実行、それを繰り返して “自分” と言うものを知り、暮らす…と言うのが、1つの生きる形なのかと改めて考えました」などの感想がきかれました。

講座のあとは懇親会と合宿も行いました。料理は自炊でしたが、それぞれの個性を活かした役割分担があった様子です。懇親会には高野先生もご参加いただき、既に山村地域で活動を始めている塾生たちとの歓談は、講座とはまた別の深みがあったのではないでしょうか。

次回はいよいよ最終回です。長かったようであっという間だった1年で体験して感じ、学んだことをそれぞれのかたちで発表します。

(写真の柑橘類は、塾生のご両親からの差入でした~☆)

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